2015年4月18日土曜日

釣った魚で燻製を作る

自然保護の観点から釣った魚を人にあげることが禁止されているこの国では、自分で食べるのが基本だ。
でも一人暮らしだし、ちょっと持ち帰るだけで延々と魚料理が続く。
生食でスタート、刺身・寿司・漬け丼ときて幸せだが、カツオなど三日目ぐらいには身がヘタレてきて生食は厳しくなる。
10kgの魚を持ち帰ると、沢煮とかオリーブオイル漬けとか美味しい手法を織り交ぜても、冷凍を絡ませないと無理。
そうか、伝統の保存法、燻製があるではないか。ネットで調べると奥が深く、はまる人も多いようでノウハウの山だ。
基本は塩・砂糖・ハーブの調味液に1日漬けて芯まで味付け、水で塩抜き、乾かして煙で燻す。ふむふむ、簡単そうだ。
R0002709R0002711
うちには直径57cmのバーベキューケトルがあるし。だが待て。温度を65℃~70℃にキープするらしい。どうやって?
温度が低いと腐りながら乾くだけ、温度が高いと身が白くボサボサになってしまう、と…まあそうだろうけどな。
最初は木炭を熱源にしてみた。あかん!木炭の品質が悪くて出てくる煙が臭い。そもそも煙が出ないのが木炭やろが。
熱源としてアイロンはどうかと試すが、すぐサーモが切れてチップが発煙しない。しゃあない、1000円で電熱器買ってきた。
ケトル内に熱源を入れると温度が高すぎた。電熱器を下に置いて、全開にしたケトル下部の穴から煙を入れることにした。
温度は電熱器の目盛と位置(ケトルとの距離)を変えれば、40℃から80℃の間で変化することが分かった。
ケトルの足を新聞紙で覆い煙の道を作る。深夜に燻製開始だ。アルミフォイルで作った小皿にウッドチップを乗せて加熱。
いい感じでケトル内に煙が充満してる。何回かチップを変えて十分に煙を絡め、あとは寝て待つか…
朝起きて見てみると。おぉ、半分ぐらいの大きさに縮んだカツオフィレが飴色に輝いている。切って食べてみる。
うん、旨い。ハムのようだ。塩加減ばっちり。身が白くならず赤いままで旨い具合にできた。ただちょっと酸っぱいな。
R0002707R0002717R0002760R0002713
酸っぱくなるのは燻煙開始時の乾燥不足で、魚の表面の水分に木酢液が付着するかららしい。そんなん知らんがな。
2回目以降は十分乾燥した魚で開始し、温度調節も慣れたので、楽だった。冷凍してあった魚でいろいろと試してみた。
カツオはフィレのままだと出来上がり鰹節みたいで見応えがあるが、薄くまたは細く切ってから燻製したほうが簡単そうだ。
燻製で熱を入れるのは諦めて、事前にジップロックに入れて65度のお湯に1時間沈めてから燻せば確実なのもわかった。
白身のタイやグレは燻製で素晴らしくおいしくなる。これはたまらん。次のビールが冷蔵庫からすっ飛んでくるほど旨い。
びっくりしたのはハタ。じゅるじゅるの脂が滲み出して、仕上がりも素晴らしかった。
魚の切り身に起こる変化が面白い、作業自体が楽しい、完成品がおいしい、ちょっと保存がきく。いいことだらけ。
「燻製をするために釣りに行く」とならんようにぐっとこらえて、勉強しながらちょくちょく楽しんでいこうと思う。
R0002780R0002756

0 件のコメント:

コメントを投稿